なぜか結果を出す人の理由
- 2015/01/05 13:09
- カテゴリー:読書感想
努力は1日2日で出るものではなく、根気よく続けるうちに1年後、2年後に成果が見えること。
努力の方向性が大事だということ。
説得力あったな~
どんぐり倶楽部、デンマーク式教育に沿って「あえて大学受験を目指さない」子育て日記。
努力は1日2日で出るものではなく、根気よく続けるうちに1年後、2年後に成果が見えること。
努力の方向性が大事だということ。
説得力あったな~
とても良かった。ブログの文章をまとめただけのものなので、本としては読みづらい部分や、本題とは関係がない 日常の出来事なども記載がある。
だが、その脈略のない話題が、著者の人柄や価値観を知るのに役だっている。
稲荷塾のカリキュラムは、京大や東大を目指す公立に通う中学・高校生に非常に有効だと思う。
私立の中高一貫校のカリキュラムと同様に進めるので、公立の不利さを解消できる。しかも週一回なので、私立高校に通うよりずっと経済的だ。
ただ、気になる点は、著者が、カリキュラムを小学生にまで早めていっていることだ。
小学生で、中学数学をすることは、結局は一方的に教えるパターン学習になってしまい思考力を育む10~12歳の大切な時期を逃してしまうように思う。
それに、拘束時間が多く、子供に負担があるから中学受験をするな といいながら、同様の先取り学習はOK というのは、負担が少し少ない といっているだけで、負担は以前存在し続けている。(ベストではなくベターといっているだけだ。)
中学受験をするなという 代替え案としては少々物足りない。
(まー中学受験をするなというのは出版社がつけたタイトルだと思うが。)
結局は 早ければ早いほうが良いという根本的な考え方は変わっていないので、小学校低学年から著者の塾に子供を入れようと思う親が出てくると思うが、それは著者が意図している層とは微妙に異なると思うし、
その結果も、著者が意図している大きな成果は 得られないのではないかと私は思う。
それは前例があるからで、中学受験の大手塾が、小3,小4の生徒を囲い込みしたとき、結局は その生徒達は伸び悩んだ例がいくつもある
要は12歳までの教育方法と それ以降の大学までの教育方法は、基本的な部分で全く違うという 「どんぐり倶楽部」の理論に繋がるのだが・・
著者は非常に優れた教育者だと思うが、高校生の能力を伸ばすのに長けているからといって、同じ方法論が小学生には通じないというを、気づいてほしいと思った。
このカリキュラムは、著者の塾でもそうであるように、中学生2,3年で優秀となる素地がある子には、大きく可能性を伸ばせるカリキュラムだとは思うが、素地のない子が、優秀になる訳では決してないし、
著者のカリキュラムを単純理解して、早ければ早いほうが良いと、素地のない子に、小学生から中学数学を「詰め込み」教育させる親が出てくると、
害にもなってしまうので注意が必要だと思った。
私が思うに、中学生からでも京大・東大合格を目指せるカリキュラムであれば、、自信を持って「中学生以降で間に合う」としたほうがインパクトもあり、良いのでは?と思います
例外的に小学生でも、出来る子はカリキュラムに溶け込むだろうが、あくまで、そのケースは例外中の例外で、小学生までカリキュラムを早めてコース化することに、大義があるようには思えず、疑問を持たざるをえませんでした。
ここは、きっぱりと「中学生以降で」としたほうが、何年か先に出る実績としても明朗だと思います。
中学受験を全くしていない公立中学、公立高校のそこそこ優秀な生徒が、中学受験している小学生の時に優秀だった生徒を 打ち負かすことができれば・・・
これこそ画期的なカリキュラムではないでしょうか?
それなら、私も不満ないのですが・・・・。
(ただし、現実は超優秀層は、灘などに在籍している確率がとっても多いので、その優秀層に勝つのはかなり困難だと思います。それに似た層にアピールしたいから小学生コースができていると深読みしてしまうのですが・・・)
PS
著者のブログを拝見したところ、私立中学、私立高校が、大学受験の予備校化しており、大学受験が目的化しているのを危惧されていました。
この点に大いに共感を覚えましたし、塾の先生があえて言うことで 好感を覚えました。
稲荷塾のミッションが。大学受験の合格だけにフォーカスするのではなく、「世界に通用する人材」も素晴らしいです
さらに、ブログで、著者が読まれている本が、
私の好きな本と共通しており、神田昌典さん、永遠のゼロ、コヴィーの「7つの法則」・・極めつけは私の大好きな 青山繁晴さんの「ぼくらの祖国」も読まれており・・・私の父と同じ世代で、ずいぶん歳は離れているのですが、親しくなれそうな気が・・・勝手にしました。
だからこそ、小学生の教育は、中学数学を先取りさせるのではなく、
ゆっくり、じっくりと思考力を育む「どんぐり理論」を稲荷さんに知ってもらいたいと、勝手ながらに思って、好き放題書かせて頂きました事を 先にお詫びします。
私にとって、カリキュラムよりも先生の人物に惹かれましたので、
娘が中学に入ったら、お願いしようか・・とも思いました。(12年後ですが・・・・もちろん続いてますよね?)
7つの習慣は、とても良い本だと思うけど、読み返す時間がない・・・このオーディオブックなら かけてかけ流しできる。22時間もあるので2700円だとお得に感じる
かなり有名な放送作家らしいけど、私は存じ上げなかった。
たまたま見た「情熱大陸」で小山薫堂(こやまくんどう)さんを知った。
ただ、この番組は珍しく超駄作だと私は思った。
放送作家の本業だけではなく、映画「おくりびと」の脚本から、くまもんの生みの親、金谷ホテルのアドバイザーなど、マルチの才能を発揮されている方ということは、最初の五分くらいの説明で知ったのだが、
小山氏は、50歳の誕生日を記念して、超多忙なのにも関わらず、1ヶ月の休暇を取る・・・という事で、なぜか後半は、休暇中の小山さんの日常に密着していた。
いやいや、、小山さんは業界では有名かも知れないけど、どのような仕事をしている人かを 知りたいのであって、休暇中の小山氏を テレビ放映する必要あります??
マルチな才能がある。とはいっても、視聴者のほとんどは詳しくは知らない訳です。
その仕事ぶりを、掘り下げて、人物のインタビューなどで 考え方を放映するだけで良かったんじゃないでしょうか。
その仕事に関するエピソードはなくて、いきなり休暇中を密着されても、誰が興味あるんでしょうか・・・。
しかし、私は逆に情報が少なすぎて、小山薫堂さんが どんな考え方をされているかが少し気になって、著書を読んでみました。
ところが、著書を読んだら、とても面白かったんです。
「ところが」と書いたのには、色々訳がありまして、基本的に 私は広告マンとか、企画マンを嫌っているというか、あんまり好きな人種とは思っていません。
それは、企画が大好きな上司に仕えた事があって、ものすごく「出来る人」ではあるんですが、企画に「タテマエ」と「本音」がいつもあって、
外部の人間が説明を受けると、「とても魅力的」なのですが、
内部の人間からすると、「うさんくさい」話が多かったんです。
要するに、理想的なアイデアをぶち上げるんですけど、決して実現することはない・・・みたいな。
情熱大陸での、小山さんの言動で、なんかその上司に似ている理想主義な考え方(企画の方特有?)を垣間見ただけで、正直 私は この人を何か好きになれない部分があるなーと思いながら 本を読み始めたのです。
しかし、期待は良い方に裏切られました。
理想主義的なアイデアではなく、現実的な枠組みの中で、企画によってどのように生まれ変わるかが良くまとめられていました。
特に私は 金谷ホテルでの従業員の名刺の企画なんかは、とっても良いアイデアだと関心しました。
それはこうです。
金谷ホテルで従業員自身がお勧めする場所を選んでもらって、30場面ほどホテルの写真を撮ります。
そして従業員は、自分がお勧めする場所の写真を、自分の名刺に印刷するんです。
そして、お客様の見える場所に貼り紙をします
「従業員が持っている名刺には、従業員がそれぞれお勧めできる場所の写真があります。是非、従業員に名刺をもらって、オリジナルのカタログを造りましょう」
すると、子供が面白がって 従業員に話しかける・・すると親と従業員もコミュニケーションができる。
さらには横の繋がり・・従業員も、「あの従業員の名刺には面白い写真があるから」と子供に声をかけたりするようになり、どの従業員が、どの写真を持っているか、、を知る事になり、従業員どうしのコミュニケーションも生まれました。
名刺の裏に写真を印刷しただけなのに、それを意味付けしただけで、コミュニケーションが生まれていく。
大抵の私が見てきた企画は、企画者や従業員が「努力する事が必要」な企画だと思うんです。
でも、部外者が企画だけ持ち込む場合は、結局は実行者である従業員に上乗せの労力が必要になるので、乗り気でなくなり、中途半端な結果に終わってしまうことが多いと思います。
ただ、この名刺の企画は、お客様から従業員に声がかけられるように考えられている。
そうすれば、自然と従業員も嬉しくなり、乗り気になるだろう。
そこまで、計算づくで企画するってのは並大抵ではないと思います。
この視点の変化は、本当に私は 勉強になりました。
著者は、ケチや、もったいない、貧乏性と自分の事を評されていますが、最少の投資で最大の効果を狙うを企画で実行されているのがスバラシイです。
私も常々、今の日本には ハードよりソフトが大事だと思っていますが、
こういう企画を練るという事は普段意識していませんでした。
著者が言うように、本来 企画はサービスと同義語で思いやりから生まれるもの。
この事を忘れないようにして、私も日常から企画を考えたいと思います。