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小学生のプログラミング授業必修化について思うこと

  • 2016/07/06 17:11

 

2020年から 小学校でのプログラミング教育が必修化されるそうです。

私はこのニュースを聞いて、文科省はアホか?と思いました。

その理由は主に2点ほどあります。

一番先に思うのは、AI(人口知能)が、これから人間に変わって単純作業をこなしていく時代が、
20年後や30年後の話ではなくて、5年後といったレベルで、ほぼ間違いないだろうと予想されること。

「だったらプログラミングは必要になるのでは?」と思った方は、文科省の役人と同じで大きな勘違いをされています。

コモディティ(商品)の技術レベルが上がれば上がるほど、逆に使う側のユーザーの能力は必要でなくなると思います。

それは、ここ10年のインターネットの歴史を振り返れば明らかだと思います。

インターネットが広がる前は、パソコン通信というある意味PCオタクだけのクローズドな世界でありましたが、
インターネットが発展するうちに、`Cの技術を持たない万人が参加できるオープンなものに発展してきました。

そして、技術が発展すればするほど、ユーザーにとって知識が不要で扱いやすいものになってきているはずです。

具体的に例をあげると、ホームページを造るためには、HTML言語を学んで、サーバーの知識を得て、と色々面倒くさいことを覚えて
やっとのことで、発信するためのプラットフォームを持てた訳ですが、
今や、ブログを使えば、HTMLを全く知らなくても簡単にホームページくらい持てます。

デバイス的なものも同様で、PCを扱うのにはある程度の知識は必要ですが、スマホのタッチパネルを捜査するのは赤ちゃんでも出来ます。

したがって、私が想像する未来は、ユーザーとしてITと接するだけなら、プログラミングなど全くしる必要はないくらいユーザーフレンドリーな世界であり、
ユーザーがプログラミングの知識を持っていても、使い場所がないと思うのです。

一方、ユーザーとしてでは必要なくても、開発する側の人間がもっと多く必要になるから、その下地としてプログラミングを小さい頃から教えたほうが良いという意見を聞きます。

これもはたして本当でしょうか?

私が想像するのは、とてつもなく技術が発達すると、それを理解して商品化するくらいの知識を得ようとすると、
成人してから会社で最低5年~10年は毎日仕事として勉強が必要なレベルであり、それこそ少しプログラミングをかじった知識なんかでは
まったく太刀打ちできないような専門技術が必要になると思われます。

要するに、技術が発達すれば発達するほど、開発する側には多大な専門技術が必要になり、ユーザーとの知識差は大きくなるばかりであり、
いくらプログラミングの基礎中の基礎を覚えたところで、その程度の知識では、ゼロに等しいくらい使う機会がないのです。


なぜそう言い切れるのでしょうか?実は、私が実際にそのような経験をしたからなのです。

私はWEB関係の仕事をしているのですが、HTMLの知識など、ある一定レベルの知識を専門学校に通い学びました。

そして、その知識で10年くらい前までは、かなりその知識で優位に仕事を進めることが出来ていました。

しかし、WEBの世界も急激に発展しました。スマホも登場しました。するとどうなるかというと、一人の知識ではとてもすべてをカバーできる知識・情報ではなくなり
それぞれのエキスパートが必要になってきます。

わかりやすくいうと、一つのHPを造るのに、10年前までは一人でもそれなりのものを作れたのですが、
現在では、デザイナー、コーダー(コーディングする人)、プログラマーと 最低3人のエキスパートが必要となり、
必至に勉強しなければ、5年かかってもその道のプロとはなれないほどのスキルが必要とされます。

そうです。技術は発達すればするほど、専門性が増していき、細分化していくのです。

そしてさらにやっかいなのは、技術をエキスパートになるレベルでマスターするのには、努力だけではなく、適正や才能も必要になってくるのです。

そこでもう一つの議論が発生します

小学生から基礎勉強する事によって、エキスパートになりうる人材を増やす事はできるのか?という事です。

私はこれにも疑問を抱いています。

プログラマーというのは、かなり向き、不向きがありまして、特殊な才能といっても過言ではありません。
初歩は誰でもできるのですが、高度になればなるほど、限られた人だけが出来る世界なのです。

私は2人の優秀なプログラマーと仕事で付き合いがあり、その頃は私自身もプログラムを少し勉強していたこともあり
根堀葉掘り、勉強年数などを聞いたことがあります。

一人は大学時代に趣味で始めたらプログラムにハマってしまったそう。
もう一人は、仕事を初めてから、案件をこなすうちに、こちらも独学で身につけたということでした。

そうです、どちらも20歳を超えてからプログラミングを始めて、さらに学校など行くこともなく、本を読んで独学で身につけた・・・というのです。

出来る人は、学校で教えてもらわなくても、自分で出来てしまうんです。

そういうことも踏まえると、この小学校でプログラミングを教える・・ことは、本当に無意味にしか思えません。

そして、重要なことは、プログラミング授業をする時間が増えるということは、他の授業が減るということでもあります。

そこで私の大きく懸念するのは、算数や国語といった重要な授業に影響がでるのでは?という懸念です。

算数と国語。この2つは、将来身につけなければならない必須の授業ですし、論議的な考え方を学ぶ事ができます。

その意味では、実はプログラミングの授業をするよりも、算数や国語の授業を増やしたほうが、将来のプログラミング能力は上がるのではないか?と思うほどです。

すなわち、小学生にプログラミング授業を実施する ということは、将来 全く役に立たない、しかも古い技術を教える 代わりに
プログラミングにも必要とされる論理的思考を鍛える機会を削減してしまう可能性がある。

こんな本末転倒なことがあっていいのでしょうか?

私は小学校の英語もどちらかというと反対ですが・・・プログラミング授業はアホすぎます。

どうにかなりませんかねー

 



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