どんぐり倶楽部、デンマーク式教育に沿って「あえて大学受験を目指さない」子育て日記。
トップページ > 教育についての考察 > 早期教育のについて考える > 早期教育の信憑性を考える。
2014-07-30 22:00:41
さて、三つ子の魂百まで ということわざが、本来の意味で使われずに間違った解釈で、早期教育などの営業トークに使われているという話をしました。 さて、今回はですが、早期教育自体の信憑性を検証したいと思います。
私は専門家ではありませんので、科学的なデータを出してとなっても、結局は人の受け売りのようになrので、あえて 感覚的な情報だけで論拠を進めてみたいと思います。
まず、早期教育は、現在は2014年ですが、現在に始まったことではありません。
おそらくですが25年以上前には始まっていたと思います。
右脳教育で有名な七田式が昭和62年11月に創業されているのを見ると、始まったのは27年ほど前(2014年時)
そして、平成9年には教室は300を超えるとあるので、17年前くらいまでには爆発的な認知がされているのが見受けられます。
その頃、3歳だった子供は20歳。成人を迎えているではありませんか。その6年前の平成3年には教室数が100を超えていたようですので、
現在(2014年)時には26歳になっている子がたくさんいるはず。
それなら、生徒達の進学実績やら、進路をなぜ出さないのでしょうか???
私は、早期教育が一番ずるいなーと思っているのは、成果を表に出さなくても許されるということだと思っています。
これが、小学生の塾になると、もう中学受験の成果などを当然求められると思います。
それが、幼児教室になると、成果は出さなくても良いのです。
その理由は簡単です。能力開発なので、この段階での具体的な成果は親も求めないからだと思います。
3歳で能力開発したのに、20歳になった時には全く花開かずに終わった。。。
そんなことで文句言う親がいたら、逆に怖いですよね・・・。
でも、待ってください。
「3つ子の魂百まで」と営業トークの時は謳っておきながら、実際に検証するとなるとNG・・・てなると、これは都合がよくないでしょうか??
三つ子の魂百まで・・・とご自身でPRされている限りは、20年後は無理でも、10年後くらいの小学校や中学時点での、能力開発の成果をデータで出して欲しいものです
一方、親としては、なぜ不満に思わないのでしょうか。
これは、成果を具体的に定めずにやっているからだと思います。
いつか大人になったときに、3歳までに開発した「地頭の良さ」が役にだろう。そんな憶測で一生懸命能力開発されているのだと思いますが、実際に早期教育された子供の中学時点での成果、高校時点での成果を、なぜにデータで求めないのか疑問なのです。
長期的な成果はよくわからない・・・それなのに、毎日がんばる気がよくするなーと思ったりしますが、
これには、うまい仕掛けがあるように見えます。
長期的な能力開発で、早期教育に興味を持ったはずなのに、
実際にやってみると、短期では違いが見えるんです。これで、お母さん達が、満足してしまうんだろうと思うんです。
色々なことを幼児にさせると、丸覚えするため、それなりになんでもできるようになると思います。
それを見て、安心というか能力開発の成果に満足するのではないでしょうか・・・・初めるにあたっては、大人での成果を宣伝で歌われていたのにも関わらず・・・です。
もう1つの視点も提案します。
それは成長期の時点、大学や高校生、中学生の時点で早期教育は意味を持っているのか・・といった客観的な把握です。
これは、社会学者の宮台真司さんが言っていたのですが、宮台さんが教授をされている首都大学東京でも、年々 生徒の質が落ちていると感じているそうです。
一般的には、ゆとり教育が原因のように思われがちなんですが、実際に、都立大学に入ってくるような生徒は、ゆとり教育とはほど遠い、早期教育や小学校から塾通いして、バリバリに勉強して入ってくる生徒のほうが主流派だそうです。
それこそ、早期教育世代とも言える生徒が多くなっているのも関わらず、大学の生徒の学力は、あきらかに落ちている。
宮台さんは、社会学のゼミでで生徒と長い間 接して対話される機会が多いのですが、
ここ数年でも生徒の学力の質が落ちてきているのを感じるので、危機感を感じているとの事でした。
早期教育が、10年後、20年後の能力に大きく影響するのであれば、年々学力は上がっていくはずではないか?
それが、年々学力が目に見えて落ちているので、現場の意見として、早期教育の成果は「絶対にない」と断言されておりました。
もう1つ、成長途中での検証として、中学受験を専門とされている塾の先生が、早期教育に対して 小学校時点での影響力についてブログで書かれていました。
ギフテッド(天才児)を考える~内容の中に、幼児教育の意見の部分を抜粋します
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~引用始まり~~~~~~~~~~~~~~~~~
【先天的な能力か否か】
私は先天的であるという説を支持します。
学力は後天的に獲得する部分が多いので、いわゆる努力型の子供でも上位の成績をとることが出来ます。
低学年から訓練することで上位をキープしている子が多いのも事実です。
こんなことを書くと喧嘩になるかもしれませんが、私の個人的な感想を述べます。
幼児教育でIQを高くする、というのがあります。
幼児にフラッシュカードを見せたり、漢字や英単語を覚えさせたりし、IQ160くらいまで伸びたとか言っているやつです。
確かに学習効果はあるでしょう。実際塾でも上位クラスになると、そういう幼児教育を受けていたという子が知っている限りで何人もいます。でも、下のクラスにもいるのです。
低学年で上位クラスにいたのに、小4くらいで下がり始め、小5では普通の子に、小6では↓のクラスにまで落ちてしまう子が毎年何人もいます。
本人のモチベーションの低下もありますが、難易度が上がるとついていけなくなるのです。
プライドばかり高くて手に負えない子も中にはいます。
IQの高さは遺伝的要素も関係しているようです。
塾に通う子の親は、比較的高学歴高収入です。上位クラスに行くほどその傾向が強い気がします。例えば、上位クラスの子には医者の子供が多いのです。みんな薬品名の書かれたボールペンを持っていますから、さりげなく聞いてみると両親ともに医者なんていう子もいます。
当然その子も将来医者を目指しているわけですから、そのために幼児教育にもお金をかけるというのもごく当たり前のことです。
そう考えると、幼児教育に通わせる親、低学年から塾に通わせる親は教育熱心かつ経済的に豊かなわけですから、相関関係を考えると、親のIQも比較的高いと推測できます。
つまり、もともと賢い親を持つ子を鍛えているわけですから、賢くなって当たり前なのかもしれません。
知能テストも問題のパターンがありますから、訓練すれば当然数値は上がります。訓練しなくても、何度か受ければ学習効果が出てきますから、初めてやる子に比べて高い数値が出るようになります。
しかし、それは点数が取れるようになっただけで、能力が上がったというわけではありません。
同じ学年の子がやっていないことを先取りすれば当然周りに比べて高い学力になります。その差は低学年ほど大きくなります。しかし、学年が上がるにつれて周りが追いついてきます。
昔から言われる、「二十歳すぎればただの人」というのもそういう理屈でしょう。
中学受験では習う内容も原則として小学校範囲ですから、いくら先取りをしていても、小学高範囲を終わってしまえばあとは足踏みをしながら周りが追いついてくるのを待つことになります。
幼児教育も流行っている割には天才児が増えているわけではありません。恐らく追跡調査をすれば、そのまま天才児として育つ確率は数%しかないと思います。でもそれは学習効果ではなく、比較的IQが高いと思われる親の集団から生まれた天才児の出現確率の数値でしかありません。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~引用終わり~~~~~~~~~~~~~~~~~
中学受験を目指す子供を長年指導されてきて、クラスの中で、「幼児教育、早期教育」をしてきた生徒も認識できて、その成績と継続的な学力も把握できる環境。
中学受験専門の塾 というのは、そう考えると早期教育の成果をデータで確認するのに 一番適した場所かもしれませんね。
その成果が一番顕著に現れるだろう場所で、控えめに書いてらっしゃいますが、「効果なし」と読み取れる結論を出してられますので、
3才までに、いくら能力開発したって、小学校高学年には関係がなくなるんだなーという事が、だいたい想像できますよね。
さて、このブログを書かれている塾の先生は、能力は「先天性」な説を支持されていますが、私は、多少は先天的な素養は必要だろうが、それ以外の要素もかなり重要だと思っています。
それは、5才から12才までの期間にどのような勉強をしているか につきると思っています。
そう、その理論とは、どんぐり倶楽部を主催されている糸山先生が提唱されている説です。
要約すると、12才までに人間の脳は回路を完成させてしまうので、12才までにいかに回路を増やしていくかという事なのですが、
この理論については、一言で説明できるような理論ではありませんので、
順を追って、深く深く説明していきたいと思います。